2012年03月08日

Claudette Soares

今日は心理学とは関係なく(どこかで関係するでしょうが),音楽の話です。

iTunes Storeがオープンして,10年近く経ちます。当時は,品揃えが乏しく,まったく使えるようなものでなかったのを覚えています(少なくとも私はほしいものが見つからなかった)。その頃は,圧縮された音源をデジタルオーディオプレイヤーで聴くか,音質が損なわれないCDで聴くかという選択肢で,世間は盛り上がっていましたが,私は,DOPに移行するどころか,CDにすら移行しておらず,レコードやカセットテープを買っていたので,この話題にはあまり関心がありませんでした。

とは言っても,CDも持っていなくはなかったので,翌年くらいにiPodを買い,それ以降は,なるべくCDを買うようにしています。レコードを高音質でデジタル化するのは面倒なのです。

最近はネットが発達して,iTunes Storeも,以前より高音質でDLできるようになり,品揃えも増えてきて,CDでもレコードでも売っていないものが買えたりするようになってきました。レアなものは,音質を保証する必要がない分,iTunes Storeよりも,YouTubeのほうが多いです。とくに,最近のYouTubeは,大学生の頃から探しているのに入手できないような音源が,少しずつアップされるようになってきて,びっくりしました。

たとえば,これ。



しかし,アップされて4ヶ月経って,この再生回数と高評価1人って・・・。
posted by Dr. Sugamura at 03:35| 大阪 ☁| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月02日

本日の論文

今日の論文ピックアップは,Emotionから。これはAPAの比較的新しい雑誌で,私も創刊時は講読していました。APAでは,感情関連の内容は,それまでは多くがJPSPなどに掲載されていたのですが,Emotionでは感情が独立したテーマとして扱われます。社会的な次元とはあまり関係のない感情研究もあるので,APAは,Journalだけにとどまらず,Divisionも作った方がよいと思います。

FACSGen 2.0 animation software: Generating three-dimensional FACS-valid facial expressions for emotion research
表情認知の研究は,長いこと,2次元の静止画でやっていましたが,最近,モーフィングが出てきて,次は3次元だろうと思っていたら,もう出ましたね。FACSのほうが,JACFEEよりも有名ですが,JACFEEは日本人の画像もあるので,むしろ,JACFEEの3次元版がほしいです。

Mindfulness and mind-wandering: Finding convergence through opposing constructs
内容は,そりゃそうだろう,という感じですが,介入研究までやるところはさすがですね。

Emotion expression in body action and posture
上のFACSは,Facial Action Coding Systemですが,これはBody Action and Posture Coding Systemです。私ならふざけて,BACSとかPoCSとか,言いそうなところですが,彼らはBAP coding systemと呼んでいます。この手の古典的実験研究として,William Jamesの実験があります(Jamesの死後の1932年に別の人がJamesの名前で論文にしています)。

Toward a phenomenology of feelings
Wundtの感情の3次元説などが古典的研究になるのでしょうが,フォーカシングなどの臨床にも関係しそうな議論っぽいですね。身体感覚の話もあるので,ちゃんと読んでおきたいです。

Emotion words shape emotion percepts
この手の研究も,最近はembodied cognitionの文脈で多いですね。こういうのは,それほどembodiedではないと思うのですが。
ラベル:論文
posted by Dr. Sugamura at 00:32| 大阪 ☁| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月01日

セルフケア:24のアプローチ

同僚の串崎先生から,新著『セルフケア:24のアプローチ』(風間書房)をいただきました。続けざまに,本を出版されているので,その速筆ぶりには本当に驚かされます。

「セルフケア」とあるので,広くはセルフヘルプの本(自助本)という位置づけになるかと思いますが,特徴的なのは,それぞれのアプローチごとに,海外の一流誌の最先端の基礎研究がいくつも紹介されている点です。エピローグで,方法の紹介ではなく,「セルフケアをとおして心理学を学ぶという感じ」になったと書かれてありますが,まさにそのような印象をもちました。

きわめて平易に書かれていますが,これは技術ではなく,学問の本なんだと思いました。心理療法は,技術としてではなく,学問として取り上げなければ,臨床心理「学」にはならないと思っていますが,そういう意味で,この本が「セルフケア心理学」と呼ばれるのは納得です。私の臨床心理学の授業の教科書にしてもよかったです。

海外では,最先端の研究が本にまとまるまでに数年,そして,それが日本語に翻訳されるまでに,だいたい10年かかるので,日本の心理学は10年以上遅れていると言われますが,この本では,去年出たばかりのまさに最先端の研究が紹介されています。本邦初はもちろん,海外でも本で紹介されているものは少ないのではないでしょうか。

さて,この本は,5つのセクションからなり,それぞれのなかに,4〜6つのアプローチが書かれてあります。セクションの1と2の違いは,いまいちよくわからないので,セクションはいっそのこと無視して,好きなところから読み始めてもよいように思います。

セクション1は,「お気に入りの場所に行く」から始まり,「からだを温める」「深呼吸する」「おいしいものを食べる」といったアプローチが紹介されています。「お気に入りの場所に行く」から始まるのは意外でしたが,読んでみたら,「自分が安心できる人がいるところに行く」ということでしょうか。アタッチメントをベースにしているため,これが最初に来たのでしょうか。どこかに行く,というのは労力を伴うことなので,なぜこれが最初にあるのか疑問に思いました(実際に行かずに想像するだけでもよいとは書いてありますが)。今度,聞いてみましょう。

米軍は,戦場などで,圧倒されるようなストレスを体験した兵士に対して,PTSD予防のために,まず何をすると思いますか? 戦場に盛んに兵を送り出しているアメリカは,積み重ねてきた現場の経験があるうえに,心理学先進国なので,膨大な臨床知見と研究成果もあります。それを踏まえて,一体何をするのかというと,まず温かい食事を与えて,安心して休める場所を提供するというのです。冷たい缶詰ではだめなんですね。やはり温かくておいしい食事が第一です。

しかし,普段から温かくておいしい食事を食べていて,誰にも襲われないところで安心して睡眠を取ることができる多くの人は,何が第一なんでしょうね・・・。すごくおいしい大好きな料理とか?
posted by Dr. Sugamura at 05:14| 大阪 ☁| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする