2014年05月25日

マインドフルネスで頻出する"just"の意味

先日,授業で,兵士のPTSDに関する番組(NHKスペシャル,2008年9月14日放送)を見せました。ある訓練の場面では,上官が"Just kill!"という言葉を使っていて,「とにかく殺せ!」と訳されていました。

マインドフルネスの説明では,"just be aware..."とか"just look at..."とか"just pay attention to..."といった形で,"just"が多用されていますが,「ただ・・・する」と訳されることがほとんどです。この「ただ」というのは,どういう意味だろうと前から気になっていました。"simply"という言葉に置き換えられることも結構あるので,「単に」とか,そういうふうに理解することが多かったのですが,「とにかく」という訳語には,改めてハッとするところがありました。

逆に,道元のいう「只管打坐」も"Just sit."と訳されます。これも漢字の字面から,「ただ座れ」という意味だと思っていましたが,「とにかく座れ」のほうが意を汲んでいる感じがします。実際,「只管」は「ひたすら」という意味だと解説しているものがたくさんあります。

よく言われるように,英語と日本語は,言葉の成り立ちが異なるので,当然,一対一対応していません。異なる意味の組み合わせでニュアンスを把握することがよい場合もあります。"just"という言葉は,「ただ,単に,とにかく」という意味で捉えていれば,大きくは外してはいないでしょう。

英和辞典をいくつか引いてみると,確かに"just"は,命令文の前では「とにかく」という意味が出てきます。「just=とにかく」は定訳だったのですね。要は,私の勉強不足で,今ごろ知ったという話です。
posted by Dr. Sugamura at 04:13| 大阪 ☀| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする